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祖父の句集「雑句 葉蘭」。いまでもクスッと笑うタイトルの仕掛け。

  • 執筆者の写真: socom5055
    socom5055
  • 2019年3月29日
  • 読了時間: 2分

更新日:2019年11月23日


もうすぐ平成も終わりますが、昭和時代の身内の話です。父の兄弟7名が、俳句が趣味だった祖父の喜寿のお祝いとして、祖父の「句集」を制作してプレゼントすることになりました。


費用は7名の兄弟が負担します。著者近影の撮影は、カメラが趣味だった叔父が、俳句の入力作業は別の叔父が担当することになりました。広告クリエイターである私(孫)に対して「費用は負担しなくていいが、面倒を見なさい」という指示があり、私が編集担当になりました。


仕様はB5・120ページ・ハードカバー。編集内容は、巻頭に著者近影が2点あり、基本的に1ページにつき活字による俳句が3句。そこに不定期で、著者の自筆である、筆書きの俳句が画像で挟み込まれるという演出です。筆書きの俳句に添えられた落款は朱色で、なんと、この落款だけのために、実は2色印刷という贅沢な作りです。これは、印刷会社社長の配慮でした。


印刷については、会社の仕事を依頼していた懇意な印刷会社にお願いしました。見積りをいただいたあと、社長が「この際、化粧箱も作ろう」 「この際、タイトルは化粧箱に銀で箔押し印刷をしよう」「この際、トレーシングペーパーで包もう」と次々とサービスをしてくれて、見積り金額はそのままながら、仕様は大幅にアップ。これは、私には大サービスと分かるのですが、哀しいことに7兄弟には印刷についての知識がありません。詳しく説明しても、「ほう」「そうか」「ええやん」「それは、ありがとう」と、反応はイマイチでした。


出来上がった句集のタイトルは「雑句 葉蘭」です。小学校の教諭だった祖父は、奥ゆかしく自分の俳句のことを「雑句」としたのだと思いました。しかしこれは、なんとなく「ざっく ようらん」と読んでしまうタイトルが、実は「ざっくばらん」だったという仕掛けでした。


祖父はその後、九十六才で天寿を全うしました。いまでも、本棚に並ぶ祖父の句集のタイトルをみると、心のなかでクスッと笑います。


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