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撮影時にガムテープが気づかせてくれた、昭和世代の美しい心性。

今日から令和の時代です。皆様、パソコンへの「令和」の単語登録はお済みでしょうか?

新しい時代への期待に溢れた言葉が飛び交っています。いい時代になりますように。


時代の節目に、ガムテープと昭和世代の方々のエピソードです。


ガムテープは便利です。撮影では必需品です。レフ板を固定したり、バック紙を壁に貼り付けたり、ライトのために床に這わせた電気コードで人がつまずかないように、電気コードをすべて覆ったりと活躍します。


ガムテープが、美しい心性に気づかせてくれたことがあります。本当に役立ちます(笑)。


ある介護老人施設の施設案内を制作していたときのことです。施設のエントランスで施設長の肖像写真を撮影することになり、撮影ディレクションを行っていました。ディレクターである私、カメラマン、アシスタントの3人で入念にライティングをしていました。ダミー撮影を繰り返して、イメージ通りのライティングができて施設長を呼びに行こうとしたときに、ふと時計を見ると3時50分でした。


「あらま、しまった!」と思いました。4時になると、デイサービスを利用している、おもに後期高齢者の方々が帰宅のためにエントランスを通ります。ライト3台、三脚1台を立ててあるのは危険だと思いました。そこで、すべて撤去することにしました。ただ、後ほどライティングを再現しやすいようにと、ライトと三脚の位置に印を付けることにしました。ライトもそれぞれ三本の脚のライトスタンドで立ててありますので、ライト3台、三脚1台、合計12カ所の脚の位置にガムテープを貼っておいたのです。


4時になり、デイサービスの利用者の方々が30名ほど、杖をついたり、介助を受けたりしながら、エントランスを無事に通過なさいました。ホッとして、さてライティングを再現しようと思って床を見ると、ガムテープがすべて無くなっていました。一瞬、不思議に思ってしまいました。


高齢者の方々は、ゴミが落ちていると思い、杖をついたり、介助を受けたりしながら、すべて拾ってくださったのです。本当に美しい心の世代だと思います。


(反省点。この事態を先読みできなくて、利用者の方々に、ちょっと迷惑をかけてしまいました。すみませんでした。m(-_-)m)




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