top of page

「ヒトは言葉を書きつけることで、この宇宙での最大の王『時間』と対抗してきた。」(井上ひさし)

更新日:2019年11月23日

俳句、エッセイ、小説などさまざまな文学形式があります。共通するのは、もちろん言葉です。


「ヒトは言葉を書きつけることで、この宇宙での最大の王『時間』と対抗してきた。」(自家製文章読本・井上ひさし著・新潮社)


この後、「自家製文章読本」では、芭蕉は五十年で時間に殺されたが、閑さや岩にしみ入る蝉の声はまだ生きている、時間は芭蕉を抹殺できないでいると続きます。せいぜい生きても七、八十年のちっぽけな生物ヒトが永遠でありたいと祈願して創り出したものが言葉であり、文章であると教えてくれます。


俳句は、17文字。俳句より少し長い文学形式がエッセイでしょう。筆者の体験、思い出に対する感想・思索・思想をまとめた散文です。モンテーニュの「エセー」(1580年)が先駆とされていますが、日本の最初の随筆は10世紀末の清少納言「枕草子」であるとされていますから、16世紀のモンテーニュより600年程早いですよね(笑)。


「枕草子」では「をかし」という言葉で象徴される女性の繊細な観察眼、ユーモアのある表現で独特の世界観を示しています。エッセイは書かれているエピソードにも興味を持ちますが、それに対する作者の目のつけどころや、感じ方に魅かれます。読者の関心はエピソードそのものよりも、それに対する作者の思いにあります。作者の個性、内面にふれることができる文学形式です。


ネット時代なのでブログやnote(ノート)も利用できます。フェイスブックの投稿公開範囲を自分だけにして、日記代わりにしている方もいるようです。


芭蕉は時間に五十年で殺され、残ったのは遺骨でしょう。しかし、17文字によってまだ生きていると言えます。遺骨がハードで、作品がソフトとも言えるかも知れません(?)。


旅行の思い出、人生の記念日、絵画などの作品についての想い、雑学などをエッセイに。イラストエッセイや写真エッセイも楽しくて豊かな表現です。


エッセイは、作者の内面や価値観に時間を超えてふれることができる文学形式です。令和の時代を迎えるいまは、昭和時代や平成時代の思い出を、ご自身やご家族のためにまとめるいい機会かも知れません。宇宙の王に対抗しましょう。


★LOVE MY LIFE BOOKS ホームページはこちら


★FACEBOOK PAGEはこちらから

フェイスブックで、お得な本づくりキャンペーンなどの最新情報をお届けしています。

ページに「いいね!」をしておいていただければ、更新情報をいち早くご覧いただけますので、よろしくお願いいたします!


Comments


bottom of page